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2024年7月28日

CTAとは?効果的な活用法を解説

CTA

CTAとはCall To Actionの略称で、日本語では「行動喚起」と呼びます。特にWebマーケティングにおいては重要な概念で、CTAの精度が高い事業者とそうでない事業者では他の条件が同じだった場合に発生する収益に大きな差が生まれます。

本コンテンツではCTAの概要およびそれを測定するためのKPIや高める方法について説明します。

CTA(行動喚起)とは?

CTAとはCall To Actionの略称で、日本語では「行動喚起」と呼びます。

とくにWebマーケティングで使われる用語で、Webサイトを訪問したユーザーに具体的な行動を促すもの全般をCTAと呼びます。

具体的には「資料請求はこちら」「無料のメルマガ登録」といったようにサイト運営者が促して欲しいことをアピールするバナーやテキストリンクなどのことを指してCTAと呼びます。

店舗接客や営業とは異なり、Webサイトにおける問い合わせや成約の獲得は相手のリアクションがリアルに確認できないのでCTAとその成果(KPI)を通じて善し悪しを判断します。

CTAが重要な理由

どの業種のWebマーケティングにおいてもCTAは重要ですが、特に1件当たりの粗利が低いビジネスにおいてCTA改善は重要なテーマです。

利益と成約率の関係

Webサイトの維持費や広告費を使用してでも、マーケティングをするのはもちろんそこから収益を獲得するためです。仮に1ユーザー当たり20円で流入を獲得して、その中の1%の人が商品を購入してくれる通販サイト(以下A)があったとします。このときに成約1件を獲得するのに必要な費用は20円÷1%=2,000円となります。仮にこの企業が3,000円で仕入れたものを6,000円で売っているのならば、Aには1件当たり6,000円―3,000円―2,000円=1,000円の利益が広告を活用しても発生します。

一方で扱っている商品や仕入れ値、広告単価が全く同じでこのサイトよりCTAの精度が高くて2%の人が買ってくれる通販サイト(以下B)が存在するとします。Bの成約1件の獲得コストは20円÷2%=1,000円となり、1件当たりの収益は6,000円―3,000円-1,000円=2,000円の利益が発生します。

仮にBが売値を1,000円に下げてもAと同じ利益が出るので値下げをしたとすれば、A6,000円、B5,000円となります。もちろん、値段が安い方がユーザーを獲得しやすいのでBの方に顧客が集まり、Bは大量に販売、大量に仕入れるのでメーカーにリベートを要求しやすくなり、より収益を上げやすい体質を構築できます。

ちなみにCTAの精度が低くて0.5%しか成約しない通販サイトCが存在した場合、この通販サイトでは1件当たりの獲得コストは20円÷0.5%=4,000円です。Cでは1件当たりの収益は6,000円―3,000円―4,000円=-1,000円となり、広告を使って販売すればするほど赤字が拡大するので、そもそもこの手法を使って集客をしてはいけないことになります。

このように特にWebマーケティング競争が熾烈、利幅の薄い業界においてCTAの精度は事業の成否に直結する要素です。

CTAの精度を測定する代表的なKPI

CTAの精度は事業の成否に直結するものの、バナーのデザインや企画を見て善し悪しを論評しても仕方はありません。Webマーケティングにおいては各種解析ツールを活用すればさまざまな指標が測定できます。これを活用して定量的にCTAの善し悪しを判断するべきです。

CTAの精度を評価する指標はその会社のマーケティング戦略によって多様ですが、代表的な指標としては「クリック率」「平均滞在時間」「コンバージョン率」の3つの要素が存在します。

クリック率

クリック率とはそのWebページを見ているユーザーがそのCTAを何%の割合でクリックしたのかを示す指標です。

もちろんクリック率が高いCTAの方がユーザーを目標に誘導する力が強いので良いCTAです。ただし、一律でCTA同士を比較するのは難しい点には注意すべきです。

CTAのクリック率にはそのCTAの大きさや配置が大きく影響します。一般的に大きくて目立つ位置に掲載されているCTAは小さくて目立たない位置のCTAよりもクリック率が高くなるのでこれらを比較することにほとんど意味はありません。

同じ大きさ、位置同士のCTAをクリック率で比較して優劣を決める、同じCTAの時間的経過やユーザー別のクリック率をもとにそこに配置すべき最適なCTAを決めるといった際にクリック率という指標は使用します。

平均滞在時間

平均滞在時間とはそのWebページをどの程度の時間ユーザーが閲覧し続けているかという指標です。

もちろんそのページの内容によってもユーザーの滞在時間は異なりますが、読ませるコンテンツなのに滞在時間が短いコンテンツ内にCTAが含まれている、CTAから遷移したWebページでの滞在時間が極端に低いといった場合はページの構成を見直す必要があります。

特にコンテンツマーケティングをベースに反響獲得を狙う際には注意すべき指標です。

コンバージョン率

コンバージョン率とは、訪問者のうちサイト運営者が設定している目標に到達した(コンバージョンした)人の割合のことを指します。

資料請求、商品購入、メールマガジンの登録などコンバージョンはそのサービスのWebマーケティング手法によって変化します。ちなみに1コンバージョンを獲得するためにかかった費用をCPA(Cost Per Action)などと呼びます。

コンバージョン率が低いと広告を出稿してもコスパが悪くなり、競合とのマーケティング競争で負けてしまうのは「CTAが重要な理由」の章で説明したとおりです。

そのため、CTAを評価する際に最も重要な指標といえます。

CTAを改善するための7つのポイント

さまざまなCTAを改善するための手法が存在しますが、代表的な手法として挙げられるのが次の7つです。これらの基本的なCTA改善の手法について解説します。

A/Bテストを繰り返しCTAの精度を高める

CTAはちょっとした違いでも反響率に大きな差が発生します。

たとえばCTAバナーを「ここをクリック」というボタンを緑色にするか青色にするかといったちょっとした色の違いでもクリック率が違うと言われています。(ちなみに、こういったボタンを設置する際は緑がクリック率は高いという俗説があります)

こういった微妙な違いを全て製作段階に織り込んで最も反響率の高いCTAを作成することは実質的に不可能なので、A/Bテストという手法でCTAを改善していくのがオーソドックスです。

A/Bテストとはほとんど同じだけれども微妙に違う2つのクリエイティブ(例えば、キャッチコピーなどは全部同じだけれどもボタンが赤色と緑色かだけが違う)を用意して、実際に2つのCTAをWebサイトに組み込みクリック率やコンバージョン率などの数値を測定、成績の良い方を採用するといった手法です。

アクセスの少ないWebサイトの場合、A/Bテストのためのサンプルが集まるまで時間がかかり過ぎるので、実施できない場合がありますが、一定以上Webマーケティングに注力しているのであれば採用すべきCTAの改善手法です。

CTAと合わせてリンク先のページ改善を行う

問い合わせや資料請求といった反響を獲得するためにはCTAそのものだけではなく、CTAをクリックすると遷移できるWebページも重要な要素です。特にCTAのクリック率は高いけれども、最終的なコンバージョン率が低くなるWebサイトの場合はリンク先のページに問題を抱えているケースが多いです。

リンク先のページの改善にあたって考慮すべき要素としては次のような点が挙げられます。

    • CTAとページの関係性が曖昧

例:資料請求のCTAをクリックしたはずが問い合わせフォームに飛ばされて、資料請求という文言が入っていないので不安になる

    • 元のページとリンク先のデザインが違い過ぎる

例:緑ベースのデザインのWebサイトでCTAをクリックしたはずが青ベースのWebページに遷移して、間違ったリンクをクリックしたのか思った

    • エントリーフォームが使いづらくて挫折した

例:エントリーフォームに必要事項を記入したはずが入力エラーで送信できなかった。エラーの原因も明確でないので入力することを挫折した

    • CTAとリンク先の内容に齟齬がある

例:CTAでは無料プレゼントと書いていたのに、リンク先を見ると送料は自己負担で実質有料なので騙された気分になった

画面の中に常にCTAを配置する

当然の話ですが、画面の中にCTAが存在しなければCTAをクリックすることはできません。コンテンツ内のユーザーがCTAをクリックしたくなりそうな箇所には常にCTAを配置するようにしてください。

注意すべきはスマホとパソコンのWebサイトのデザインの違いです。レスポンシブやりキットデザインで作ったWebサイトの場合、CTAの位置が微妙にデザイン時に意図した位置とずれてしまうといったことも考えられるので、CTAを配置する際は実機でユーザービリティを確認した方が良いです。

また、フローティングバナーのような形でユーザーに追随してCTAを表示させるといった手法も考えられます。

取るべき行動とメリットを明確にする

大抵の場合、CTAにはコピーが必要ですが、このコピーでは取るべき行動、メリットを明確にした方が良いです。

たとえば、商品販売のWebページに遷移させるためのCTAについて考えてみます。

商品名、画像、値段が書いてあるだけでは意外とユーザーはクリックしてくれません。初めから欲しい商品などではない限り、「こんな商品もあるのだな」という感想で終わってしまうからです。

しかし、このCTAに「今すぐ商品情報をクリック」という文言がついていると、こんな商品もあるのだなという感想から一歩進んで商品情報をクリックしてくれる可能性が高まります。意外と取るべき行動を明示しないと顧客は行動してくれないからです。

CTAを作成する際は、商品やサービスの魅力を説明するだけではなく、そのCTAを見たユーザーがどうすべきかも案内してください。

1つのページにCTAの選択肢を増やし過ぎな

CTAの選択肢を増やし過ぎないというのもポイントです。たとえば、「メルマガ登録」「SNS登録」「お問い合わせフォーム」「イベント予約ページ」といったCTAが続けて並んでいればユーザーは多数のCTAの中からどれをクリックすべきかが分からなくなります。

とくにスマホ画面上ではCTAはできれば1種類、多くても2種類までしか同時に表示されていない状態をつくるべきです。

そのためにはWebページごとにどのCTAに誘導するのが最適なのかについても検討する必要があります。

緊急性、限定性などを訴求する

CTAのクリック率を高めるためには緊急性や限定性を訴求することも効果的です。

たとえば先着●●名様、▲月▲日まで期間限定といった文言でユーザーにクリックを促す手法が考えられます。

常時「期間限定」にしているとユーザーの不信感もつながるので常用しているCTAには嘘の緊急性、限定性を訴求してはいけませんが、キャンペーン限定のCTAなどを設置する場合はかならずクリエイティブに入れるべきです。

心理的な負担を軽減させる

一般的にCTAをクリックすることはユーザーの心理的な負担を伴います。CTAをクリックする際にユーザーは少なからず「この資料請求って有料なのかな?」「問い合わせフォームの情報を入力するのにとても手間がかかるんじゃないか」「質問に回答してもらうのにとても時間がかかるのではないか」といったようにさまざまな不安を抱いています。

こういった不安を解消するためにも、心理的な負担を軽減させるコピーをCTAに盛り込むべきです。例えば、「3分で簡単登録可能!」「メールアドレスのみでOK」「完全無料で配布中」といった訴求をCTAに盛り込んでおくことにより、ユーザーは安心してCTAをクリックできるようになります。

CTAをクリックしてから遷移するWebページに記載されている情報でも、そもそもCTAをクリックしないユーザーには認知できないのでCTA内で訴求する必要があります。

CTA改善でビジネスの収益力を高める

CTAとはコール・トゥ・アクション、すなわち行動喚起のことを指します。特に成約1件当たりの粗利額が低いビジネスではCTAの精度が競合との競争力に大きく関わることもあります。

CTAの効果を高めるためには、本コンテンツで説明した7つのポイントを踏まえた上で、CTAの精度を磨き込んでください。